こまほケーブルを様々な方向から検証!そして唐突なブラインドテスト会

友人のシールドが断線してしまった様で、新しいシールドを探す事になりました。

シールド?そうだ、こまほケーブルさんがいるじゃないか。

せっかくだから良いの買おうぜ。取材費として半額持つからさ。

メーカーとかスペックにこだわらない彼、二つ返事。

 

早速TwitterからDMを送り、相談してみました。

「ジャズで使うんですけど、音太い感じで低域あっさり高域強めなの無いですか?」

(彼のリクエスト。ほぼ原文ママ)

「ジャズでご使用頂くとなると、ネーミングとは大分違う製品になってしまいますが、弊社ラインナップにあるCW-DJENTがオススメかと思います。」

「DJENTとな。」

www.youtube.com

↑DJENTってこんなん

「CW-DJENTは低域を抑えるイメージで制作してあって、必然的に高音が元気に聞こえてくるケーブルとなっております。」

 

なるほど。それなら彼の希望にぴったりだし、ジャズ以外にもフュージョンもやってるからそっちにも応用が利きそう。じゃあそれ下さい!

 

 

注文する時に

「あとついでに他のケーブルも貸して!!!」

と図々しくお願いしてみた所、大丈夫ですよと快く引き受けて頂けました。

対応も素晴らしく早く、本来1、2週間先だった予定が前倒しになり急なお願いだったにも関わらずすぐに届けてくださいました。

こまほケーブルさん、本当にありがとうございます。m(。。)m

 

試奏環境

DV Mark LITTLE JAZZ

アンプはちょっと甘めのサウンドが魅力のDV mark。

普段練習用に使っているアンプを使用することにしました。

大きなアンプではありませんが、小型アンプにしてはパワフルなアンプです。

クリアで温かみのある、いいクリーンアンプだと思います。メタルは無理。

YAMAHA SAS-1500

最近Ibanezのメセニーモデルを買ったらしいがなんだかんだ一番弾いているのはこのヤマハらしい。長く使ってるギターってめっちゃ馴染むよね。わかる。

適度に柔らかくてクリーンも歪みもグッドなナイスガイに成長しています。

Fender JAPAN ST62(アルダー)

ゲイン・タカスギの愛機。馴染む。実に馴染む。

買った時はカチカチで薄い音だったのに5年くらい鳴らし続けた甲斐あってか今やまるでオペラ歌手。ストラトにしては上品な鳴りが特徴。

他にもそこそこ高いギターとか色々買ったけどなんだかんだメインはずっとこれ。ギターは鳴らすと成長するって本当だよと教えてくれた一本です。

 

比較開始!

人と機材と環境が揃った。あとは比べるだけ!

という事で比較用に用意したシールド含めて、二人の感想を羅列していきます。

Mogami 3368 5m

モガミの超低静電容量ケーブル。電気的なロスが非常に少なく、2mと5mで音が殆ど変わらない驚異のシールドです。すたがの愛用品。

ノイトリックの金メッキプラグとワンダーソルダーのUltra Clear Signatureを使用。

すたが「相変わらずすんごいフラット。ギターとアンプの特性が活きるな。」

帽子マン「ちょっとデジタル感加わるやんな。モガミの音って感じ。」

「フラットすぎて高音域をロスしないからかな。確かに箱モノでこれを通すとピエゾのエレアコっぽい音するなぁ。」

「別に嫌いちゃうけどね。最高ではないけど。」

「今回はこれ基準で。よろしく。」

Belden 9395 2m

ベルデンの高音域寄りのモデル。シングルコイルでのアルペジオと相性抜群。

モガミはちょっと特殊だから他にもいるかなと思い自宅用の物を持ってきました。

時々使ってます。

「普通」

「普通やな。」

「短いからか大きい音量だとちょっと耳が痛いかもしれん。」

ポピュラーなだけに今更感想が出てこないといった印象。

尚、最初に弾いたっきり存在を忘れ去られる模様。

こまほケーブル CW_DJENT

まずは本命っぽいこちらから。DJENTという名前がついていますが、他ジャンルで使えないわけじゃないというか全然使えるキャラクターです。

以下は公式ショップより引用。

Djent”向けケーブルは、開発コンセプトでもある、 【TIGHT】【SOLID】【DJENT】をイメージしたチューニングとなっております。

低音弦の連続した開放リフを弾いた時でも音の玉にならず、高音弦での早いフレーズでもピッキングに遅れる事も無くフレーズをアウトプットします。

音域を無駄に広げるのではなく、Djent向けにするべく敢えて音域を(狙った箇所をピークとする為に)絞ってマッチョにしてみました!

【5m】Djent向けシールドケーブル CW_Djent【S-S】 | Comawhite C…

「おお!雰囲気ある!」

「あっ好き。ダークな音色やな。」

「低音弦を交えて弾いた時の音のバランスが最高やな。どの弦もはっきりしてる。低域がクリアーって、こういう事か。」

「トーンフルテンやったら最高やけど、絞ると高音域で曇るな。あとアタックの感じがちょっと苦手かもやわ。」

「確かに濁っ…それもしかしてギター側の問題じゃね?国産ギターって大体電装系弱いけど、15万クラスのヤマハはどうなんだろ。」

「ああでもそれ分かるわ。確かにこのギターはちょっとトーン使いにくいし、その辺がシールドにバレてるんかも」

「ありきたりな表現だけど、原音に忠実って奴か。曲っぽいのを弾くと途端に良く聞こえるな。」

「これはこういう味付けって分かるわ。こういう味のシールド。」

ゲインメモ

個人的にBare KnuckleのJuggernautを連想しました。

タイトな低域、豊かで分厚い中域、意外にも鋭すぎない高域。

そして各弦の音のバランスが非常に良く、どの弦もクリアーに浮き出てきます。

この特性は演奏する上で若干の補正になりますね。弾き手以上に聴き手に良さが伝わるシールドだと思います。

なるほど確かにDJENT向け。でもオールラウンダー。

味付けが濃い目なので、大体のギターでこういった傾向の音が出ると思います。

こまほケーブル ギター用ケーブル CWG_01

スタンダードな方。もっとイメージの伝わりやすい名前を考えているらしいので近いうちに名前が変わるかもです。

こちらもショップから引用。

1弦から6弦まで素晴らしくバランスの良いシールドケーブルです。 そのバランスはコードを弾いた時は勿論、ソロを奏でた時に弦を跨いたフレーズを弾いても音色に凸凹がなく綺麗に音階を奏でてくれます。

【5m】ギター向けシールドケーブル CWG_01【L-S】 | Comawhite Custo…

「これがスタンダードモデルかな。モガミに比べると流石にハイファイ感で劣るけど、高音域の減衰が自然でこれはこれでって感じ。」

「おおええやん。箱に明るさ、爽やかさが出ていい感じ。理想形や。」

「ん、こっちもトーン絞った時が弱いな。やっぱギター側か。」

「ソリッド感はこっちの方が強いって感じたわ。」

ゲインメモ

あんまりコメントが出てきませんでしたが、良い所が見つからなかった訳ではありません。ナチュラルすぎて全部その一言で済んでしまうんです。

後に自宅のCube liteでも試しましたが、前述のモガミよりさらに自然でそれはそうナチュラルなシールドでした。

ナチュラルです。

後日ライン撮りでもじっくり試しましたが、完全にオールレンジなモガミと比べて余計な帯域が出ておらず、ギターの音として最適化されている印象です。

弾いていて一番快適なシールドでした。

補正感が少ないので、色々とバレてしまうタイプの機材ですね。

こまほケーブル ベース用ケーブルCWB_01

ビッグマフを通したような強烈なローが欲しいとずっと思っていて、ベース用のシールドであればもしや?お借りしました。

以下は公式ショップの解説。

超ワイドレンジで多弦ベースでも余すところ無く音を伝達します。LowBの解像度は勿論、ハイフレットでの早いフレーズを弾いた際にも音の立ち上がりが良く音が抜けます!

【5m】ベース向けシールドケーブル CWB_01【L-S】 | Comawhite Custo…

「高域はちょっと抑えめで、中低域が膨らんで、超高域は出てるかんじ。」

「ローカット感あるわ。暴れ感が無くて、音圧が下がって落ち着いた感じ。」

「ちょっと曇ってるな。ベースって意外と低域はあんまり出さないのな。」

「ベースは良く分からんけど、多分低域出しすぎてるとぼやけんねんな。その辺を狙って周波数的なのをコントロールしてるんかも。(指板を叩き始める)」

「何やってんのそれ」

「何か金属っぽい音やなーって。ある種モダン系の音?」

「俺の感じた超高域がそれかな。スラップの音域がその辺なのかもしれん。」

「和音の感じとか、コンテンポラリージャズっぽいわ。」

↓たぶんこういう感じのジャズ。確かにこんな感じの雰囲気。

www.youtube.com

「2-5弦の音が弱くて、6弦も5弦弾いてるみたいな音がする。弦のゲージを一つ下げたみたいな音やわ。あんまりギター向きちゃうね。」

ゲインメモ

ベース用である。

そもそもの土俵が違うのでそりゃそうだって結果になりましたが、逆に用途に合わせてしっかり作り分けられていると身をもって体感できました。

こまほケーブルさんのシールドには全て方向性があるのですが、ベース用は通常とは逆に接続した方が面白い音が出ます。

いずれも高音域がうるさく刺さって耳障りになる傾向にありますが、このベース用をギターに使う場合に限ってはそのザリザリ感と膨らんだローミッドが面白いです。

使える音かと言われればそうでもないですが、何かのヒントになりそうな気はします。

で、どれにしよう

一通り弾き終わりました。どれも結構甲乙つけがたい。

「結構変わるもんなんやな。シールドってあんま高いのは弾いたことなかったんやけど、何か音の純度みたいなのが高い感じがしたわ。プラシーボかもしれんけど。」

「それは俺も思った。よく言われる情報量だとか解像度だとかって表現だな。」

「ブラインドでやったら違いがわかるかちょっとわからんけど…あっ」

「やるか」

「やろか」

どれも甲乙つけがたいけど、最も重視すべきは音。

音以外の情報を全てシャットアウトすれば、純粋に音だけの評価が出来ます。

唐突なブラインドテスト大会

展開に困ったらとりあえずトーナメントを開く。バトル漫画の基本ですね。

条件は以下の通り。

・使用するのはモガミとギター用こまほケーブル二種

・弾く人は目をつぶる

・アンプのDV Markで、セッティングは常に同じ

・使用ギターは個々のメインギター

こんなもん。至って普通のブラインドテストです。

それでは行ってみましょう!

 

1本目 こまほケーブルCWG_01(ざらざらしてるやつ)

「これは…こまほのざらざらしてるやつ?モガミではない気がする。さっき気に入ったって言ったやつやと思うんやけど、あんまり好きちゃうかもしれんわ。」

大当たり。先に弾き比べをしていたとはいえ、見事見破られました。

改めて聞いていて、確かに爽やかな音だなと感じましたね。おしゃれなポップスなんかに会うと思います。

 

2本目 こまほケーブル CW_DJENT

「これはDJENTでは….なかろうか。モガミな気もするんやけど、わからん。」

「ふくよかなトーンやね。ええなこれ。これ好きやわ。」

これも一言目で当てられてドキッとしましたが、モガミかもと言われてちょっと安心。

ははは、ギタリストの普段いかに先入観にとらわれて生きている事か。

ブラインドテスト滅茶苦茶楽しいです。

 

3本目 こまほケーブル CWG_01 逆順

「悪くはない。でもちょっとボソボソしてて潤いが足りひんね。」

ざらざらしてるやつの逆順とか?純度が低いというか、明瞭度的な、細かさ的なのが無いわ。」

嘘だろおい。滅茶苦茶焦った。いや当てられてんだけど。

逆順についてはベース用のすたがノートにも書きましたが、彼のこの表現も的を得ていると思います。方向性によって音が変わるのは本当でした。

余談ですが、方向性のあるシールドを購入する際はプラグの種類に注意です。

ボード側をL、ギター側をSにするつもりでL-Sと言ってオーダーしたのですが、現物は信号の流れる方向に合わせギター側がL、ボード側がSでした。

サイドジャックのギターなんで別段影響は無かったんですけどね。

いや知らないって罪だわホント。

 

4本目 MOGAMI 3368

「あぁ~、これがモガミやわ。うん。あんま好きちゃうわ。」

はい。ちょっと悲しかった。一番試奏時間が短かったです。

速攻で終わりました。

 

5本目 こまほケーブル CW_DJENT 逆順

「お、ええやんこれ。DJENTの逆順とか?ふくよかなトーンやね。」

最後の一回。

すごい。さっきまで弾いてたから機種の違いは分かって当然だったとしても、方向性まできっちり当ててくるとは。

そしてふくよかという評価は通常の繋ぎ方の時と一致。トーンが大きく変わる事は無いみたいです。

結果発表

「うむ。まさかの全問正解。この感じだとCW_DJENTがいいんじゃないかな。」

「せやね。正直最後の方は集中力切れてきてて怪しかったけどw最初の方の音とかもう殆ど覚えてへんわ。」

試奏するなら三台までって、こういう事だったんだな。しかしモガミがこうも簡単に弾かれるとは。結構自信作だったのに。」

「やっぱり音の情報量が全然ちゃうね。プラシーボちゃうかったわ。」

「それは聴いてても結構感じたけど、そんなに気になる程かな?じゃあ次俺の番ね。」

「おっけー」

 すたがのターン

あんまり回数やっても意味が無いとわかったので1度だけ被りありで4回だけ行います。

逆順も無し。さくっといきましょう!

 

1本目 ???

んー?意外と分からんもんだな。やべえ。

弾き慣れていないアンプのせいかもしれんが、この濃厚さは多分DJENTだな!?

特に低音弦のくっきり感と、アルペジオやコードの時の分離感がそんな感じがする。

ずっと弾いてたくなるね。でもテストだから次のシールドも弾かなきゃ。

「DJENTで!」

「おっけ。次ね。」

 

2本目 ???

このフルレンジ感はモガミだな。

全体的にすっきりしていて、パワーコードを弾いた時に低音でのごわつき感が全くない爽やかな音が出る。

弾いた通りにアウトプットされる感覚が持ち味ではあるけど、やっぱり味気無さを感じなくはない。まあ家で練習するならやっぱこれって感じかな。

「これはモガミ。」

「ほうほう。…w」

なに感心してんだ。気になるぞ。

 

3本目 ???

うん。わからん。これマジ?

そうだパワーコード鳴らそう。わからん。

すたが、焦りまくり。確証はないが、アタックの感じがDJENTっぽい?

「DJENT…かも。多分。」

「うっす。じゃあ次ラストで」

びっくりするくらい混乱した。もう一本目の音が思い出せない。

 

4本目 ???

「このクリアー感、タッチのナチュラルさ、間違いなくモガミ!」

「いやーやっぱ慣れてるシールドなら違いが分かるね。となると多分1、3回目がDJENTで2回目がCWG_1だな。余裕。」

「うん。やっぱ俺の音って感じ。うん。いいアンプだと全然印象が違うな!一生弾いてられるわ。」

 

「間違いなくモガミ!やっぱりモガミのシールドは…最高やな!」

「…w」

最後なので目を開けて確認します。何か鼻で笑われてるけど。間違いなくモガミ。

 

 

 

 

 

 

 

 

こまほケーブル CWG_01でした。

 

 

 

 

 

 

 

帽子マンのモデルになった彼「俺の音…w」

 

 

 

 

言うな。薄々そんな気はしてた。これだって思ったからべた褒めしただけさ。ふん。

「マ?じゃあ1~3本目は一体…?」

「1本目はDJENTで、2本目と3本目がモガミやわ。変える前は2本目まで合ってた。」

ふぁ~~~~。

いやだっていつものアンプじゃなかったし。しゃーねえ。うん。詭弁晒し。

でも確かに改めて思い返すとモガミはレンジは広いけど無秩序というか、肝心じゃない所に情報量が割かれてる様な気がしました。

総評

「わいはCW_DJENTやね。最初に出した希望通りの音。これやったらどの現場でも使えそうやわ。サンキューすたが。」

「俺は一人で使うならCWG_01、ライブとか人前で使うならCW_DJENTやね。DJENTの方が多分お手軽に聞こえがよくなると思う。」

という結果になりました。ベース用はどうしても個性的な音が欲しいとかでも無い限りはわざわざ選ぶ事ないかな?という感じです。

 

それと、実際に「ずっと弾いてられる」と言ったのは両方ともこまほケーブルだったと後からメモを見返して気が付きました。特にCWG_01は本当にナチュラル。

初めてモガミを弾いた時の感動と同じ感動がありましたね。

「こんなに思い通りの音が出るのか!」って。

これ、多分もっと良いギターとアンプで使うともっと良い音がでるんでしょうね。

また機材沼への一歩を踏み出してしまった2人でした。

 

以上、こまほケーブルさんのレビューでした。

インタビュー記事も近日公開の予定ですので、お楽しみに!