VeroCity Effects Pedals インタビュー

VeroCity Effects Pedals

#とは!

こーんなペダル型プリアンプを作っているブティック・メーカーです。

プリアンプとは何かも説明しておきますと、アンプの音色を作っている部分です。

よく見るスタックアンプで言うとヘッドアンプの中にはプリアンプともう一つパワーアンプというものがが入っていて、ギターの信号をまず初めにプリアンプが受けて音色を作り、パワーアンプが信号を増幅し、増幅した音をキャビネット(スピーカー)から出力しています。

そのプリアンプ部分をペダルに収めると何ができるかというと、例えばJC-120のアンプのリターン*にケトナーのエミュレートプリアンプを繋ぐ事でそのJC-120からケトナーの音を出せるようになります。

厳密にはキャビネットの種類やらパワーアンプの設計の違いやらで実物とは違った音色になりますが、VEROCITYさんではJC-120及びJCM900で良好な結果が出るように設計されている様です。

*(そのアンプのプリアンプ部分をすっ飛ばして直接パワーアンプに送る端子の事です。大体アンプの裏側についています。)

そういえばペダル型プリアンプってあんまり見かけませんね。

有名どころではhudges and kettnerのTubemanくらいでしょうか。あとは大昔の人がmarshallのGuv’norをプリアンプ替わりに使っていた事もあったとかなんとか・・・。(要出典)

 

それではインタビューです!

-VeroCityさんの名前の由来を教えて下さい。

一般的には流通されていない、ブレッドボードの様な接点を持つ「Vero」ボードにパーツを実装していくと
街「City」に見えたのがきっかけで、その様なブランド名を付けました。velocityの言葉の造語にも思えますが、
実際に、Vero Cityという固有名詞(地名?)もあるようです。

▲調べてみたところ、イタリア語ではVeroは「本当に」という意味らしいです。マジ街。

 

-ブランドのコンセプトや特色を教えてください。

今までのユニバーサルボードでは到達し難い実装数をVero Boardにコンパクトにまとめ、
サウンドのみならず、可搬性、応用性を重視したペダルの制作を行っています。
一番のコンセプトは、「可搬性に富んだ」「道具」として「必ず使える」製品です。

 

-エフェクターを作る側になったきっかけを教えてください。

元々自分はBEHRINGER Japanというところに2000年代に数年 Head Technicianとして在籍していました。
楽器フェア等のデモンストレーションもギタリストとして担当する事もあり、会社に勤務しながらも
バンド活動、Recエンジニアと音響機器メーカー勤務という両立が出来ました。私の場合はビルダーのみならず、
レコーディングエンジニア、ギター講師、音響機器修理等様々な音楽分野で同時に活動していたので、
B社で扱う商品の不具合対応経験から製品がどの様な形で流通すべきかという事を常に肌で感じていました。

2007年退社後に同じく元BEHRINGERに関わっていたGuitar Slinger社(ドイツ及びJet City)にハンドメイドペダルの
メーカーの制作に誘われたのがきっかけです。Silent ForceのAlex ByrodtやLizzy BordenのDario Lorina等の
シグネーチャーペダル(主に一般的なTS系のブティックペダル)のハンドメイド製品を海外に輸出していました。

為替の円高が非常に大きくなった頃(80円台/$)日本人の私に支払うコスト的に見合わなくなり、
中国製のJet Cityから廉価版が出ることで私のハンドメイドビルダーの役目を終え、
そこでビルダーとしての活動を一旦停止しています。

その後、数年間、レコーディングエンジニアとして活動をしている中で、どうしても市販品で得られないギター、ベース
サウンドがハンドメイドでなら得られると思うことが多々あり、良質なOD/Dist/Clean Boosterの制作に再着手し、
CD制作の依頼のあったアーティストを中心に無地のハンドメイドペダルを制作する日々が続きました。
その後、Vero Cityを創設するにあたっての衝撃的な出会い、それは「Vero Board」との出会いです。

Vero Boardを使う事により、今まで到達できなかった領域にハンドメイドする事が可能な事をし知り、現在の
製品群を生むことに成功しました。

 

-エフェクタービルダーとして影響を受けたメーカー/ビルダーを教えてください。

Tone Padです。主にクローンを作るためのPCB販売を含めたサイトですが、大変わかりやすく、ほぼ全ての基板を
USAのサイトに直接、発注をかけたほどです。

それと、もちろん、エミュレート元のアンプメーカーの回路設計者の方々です。

 

-エフェクター制作をどの様にして学びましたか?

BEHRINGERにおける長年の製品品質管理及び修理部門での経験が主で、その他は各種、海外のDIYサイトBlogです。
そこのクローンから、デバッグやmodまで経験を積みました。

 

-エフェクターをハンドメイドで制作する利点とは何でしょうか

メーカーが量産し辛い素子でディスクリート回路を組める事です。バイアス調整等
細かなテクニックで、調整して作るサウンドは自作ならではです。

 

-エフェクトペダルとプリアンプペダルの役割の違いとは何でしょうか?

Vero CityのBoutique Emulatorの事で説明しますと、

I.エフェクトペダルはアンプのプリアンプの前に接続
II.プリアンプペダルはアンプのパワーアンプの前に接続です。

 

-好みはさておくとして、「良いエフェクター」とはどんなエフェクターでしょうか?VeroCity流の「エフェクター論」について教えてください。

用途が明確で、音色変化の方向性がきちんと定まっているものですね。そして、それを直感的に操作したくなる外観を持つエフェクターです。
そして出来れば、唯一無二であまり競合する製品が無いものですね。
Vero Cityは実装パーツが大変多い為、外観については色とFaceデカールと社名のステッカーと大変シンプルですが、ギタリストの
想像を掻き立てる外観は製品としては必ず必要だと思っています。

 

-開発の際に使用しているギター、ピックアップ、シールド、アンプを教えてください。

Fender Japan HM-Strat (Greg Howe,Ethan Brosh等の使用で知られている) Pick Up Dimarzio Super Distortion リア/ Fast Track フロント
Belden 9395/9778 アンプは簡易テストにBEHRINGER GM108,練習スタジオでのチェックでJCM900 4100,JC-120
エミュレート元の実機のアンプヘッド+Laney 412PA (Vintage 30) or Bogner Cube (Vintage 30)

 

動作させる際のおすすめの電源はありますか?

Vitoos DC8 又は Vital AudioのVA8です。

中国製と思われますが、自作では到底この大きさで作れないようなパーツがぎっしりと
詰め込まれていて、レギュレーションもアイソレーションもしっかりしています。
私とVeroCityのDemonstratorのKaz Horie氏が使用していますが
本当に問題の無いPSUで気に入っています。2系統については
出力電圧が変えられるのが良いですね。

 

-量産メーカーのエフェクターの中では何が一番お気に入りですか?その理由も教えてください。

ISP Decimator
何でもハンドメイドできる中で、これだけは買った方が楽だと思いましたし、とにかくダーティなペダルから
余計な音をとってくれる優れもの。前身となっているHushを90年代から多機種愛用している私としては
これ以上のノイズリダクションは無いと思っています。

 

-VeroCityさんのプリアンプはアウトプットのジャックを半刺しにする事で出力インピーダンスを切り替えられるそうですが、この機能は主にどういった場面で活躍する機能なのでしょうか?

この機能の例を簡単に説明しますと、通常の挿し方で、JC-120の各種チャンネル表入力、半挿しで、JCM900のリターンに裏接続する事で一番の理解をユーザー様に
得られる様に作っています。(YouTubeのVero Cityアカウントで詳しく説明しています)上記の二機種専用に作ったわけではないのですが、
私がバンド活動として周ったライブハウス、リハーサルスタジオの常設率の高さを考えプリアンプだけの仕様ではなく、OD/Distとしても使えるように考えました。

会場の常設では必ず、どちらかはあるでしょうし、JCM900に至っては、通常の挿し方でクリーンチャンネルに接続するOD/Distとしても十分使える音質を持っているため、
想定外の音質の時に接続方法の切替を、ノイズレスに変更可能とするために、抜き差しを行わない、半挿しという方法をとりました。

この方法は、エフェクターメーカーでは珍しいというか、初の試みっぽく思われますが、ミキサーメーカーの中ではInsert端子に半挿しが出来るものがあり、
半挿し時にプリアンプのシグナルをPre EQで取り出せるものもあります。Vero Cityはそこをヒントにしてエフェクターに応用しました。

もちろん、徹底的に模倣をしているので、模倣元のAmpのリターンに半挿しで接続するとVero Cityの動画で見られるような肉薄したサウンドを体感することが可能です。
また、通常のアンプのクリーンチャンネルのHiZ接続において、通常の挿し方、及び半挿し両方をお使い頂けます。つまり、リターン接続は半挿しで無いと繋がらないことが多いのですが
クリーンチャンネルにはどちらのモードでも接続可能です。アンプのHiZ入力にもよりますが、半挿しで高域と出力が上がります。

-Vero Cityさんの名前の由来にもなっている通り、Vero Cityさんではエフェクター制作にVero Board(ストリップボード)を使用されている様ですね。一般的なユニバーサル基盤での制作に比べどういったメリットを感じていますか?

ディスクリート回路を主としているVero Cityでは、思いの他ストリップボードがレイアウトの設計がし易く、実装数もコンパクトに稼げることがメリットです。
もう、自分の頭はVero Board脳になっている様で(笑)回路図を見ると直ぐにレイアウトが浮かんでくるくらいです。レイアウトは一つの四段増幅のアンプに付き
2時間程度で書ける位にはなっています。

 

-VeroCityさんはエフェクターに使用するパーツを明確に音によって使い分けられているそうですね。
「これがないとVeroCItyが作れない!」と言う様なお気に入りのパーツはありますか?

BELDEN AWG24単線、Alpha AWG22単線 WBT 0820銀半田です。
VeroCityを制作する上で基板上の素子以上に「must」な材料です。

 

-VeroCityさんはこれらの製品をどの様なプレイヤーにおすすめしたいですか?

主にクランチ~ハイゲインアンプのサウンドをコンパクトに再現しているので、本格的なアンプサウンドを、特に遠征、海外などに手軽に持ち運び出来るので
遠征先のサウンドの方向性が定まっている方には会場におけるサウンド再構築の時間もデジタルと異なり、最短で行えます。また、遠征の交通手段には
自身の車を使う事以外で手荷物等にかなりの制限がかけられていると聞いています。その時に、ポケットに入るBoutique Emulatorは高品質なアナログにおける
真空管模倣サウンドでデジタルの様なレイテンシーも無く、接続先も選べるので本当にお勧めです。特に、私の様な四十肩(^^;ギタリストには大変軽く最適な
アイテムです。もちろん、私もL-NY-Twin/L-NY-CLを愛用しています。

 

実質ヘッドアンプでかつ超軽量

というわけでVroCityさん、ありがとうございました!

インタビューにもあった通り、持ち運びの楽なヘッドアンプの様な扱い方ができるのが強みですね。

ギタリストにとって自分好みのアンプを持ち歩くのは本当に大変です。

 

たとえよく見かけるマーシャルアンプであっても、スタジオによっては真空管がヘタっていていて満足な音が出ないなんて場面もしょっちゅうですし、それならもうどこにでもあるJC-120にプリアンプをぶち込んじまった方が話が早いと。

ペダルさえ鞄に突っ込んでおけばどこでも好きなアンプの音が出せるギタリストの心身に優しいペダルメーカーさんでした。