メイド・イン・グンマー Regal Guitar Instrumens

何時もの様に3分置きにTwitterをチェックしていたある日の事。

 

「ふるさと納税でギターがもらえるらしいぞ!」(ふるさと納税の仕様変更により終了しました)

わお。肉とかテレビとかもらえるのは知ってたけど、ギターまであるんだ。

税払ってギターになるって最高かよ。んで?どこの県・・・ってグンマー?

この画像で有名なこの中の中で!?

 

ギター作ってんの!?

 

客いるの!?(暴言)

 

とまあ多少盛りましたが(盛ったとは言っていない)、実際何が何で群馬で工房なんか始めたのかと。

というかこれ大丈夫なん?木が多くて木工職人なんか多そうだけど、楽器作れるの?

下手したら最近流行りの脱サラ事業じゃないの?

とか色々失礼なことを考えながらGoogle先生で調査。

何か思ったよりまともだぞ。いや、想像以上に凄そうだぞ。よし群馬行くか!

 

そうして早速メールして、お返事貰って野を越え山を越え。

大阪からえらい時間がかかりましたが、思ったより都会都会してるじゃねえか前橋。

新幹線の窓から見た景色はあたり一面クソ緑の田舎だったけど。

オラワクワクしてきたぞ。

 

というわけで

-では早速工房設立の流れを教えてください。

こんにちは、代表の藤原です。

えーと、今うちは三人でやってるんですけど、元々同じ秋田の大学の警音サークルで先輩後輩の関係でした。で、ビルダーの吉本が部長で、次に引き継いだのが僕。

今日は来てないですけど、営業にもう一人いてその子はまた一つ下の代ですね。

その後三人とも楽器製作の専門学校に行って、今に至ります。

 

-楽器を製作するきっかけは何でしたか?

サークルでやっているうちに、まあほしい音がないと。で、作ってみたらその音が出たんで、基礎からやろう!と。

専門学校の在学中は、楽器店で講師、リペアマンをやりながら生活していました。

 

-以前にメーカーにも努勤めていらしたようですが、そちらではどういった事をされていましたか?

卒業と同時にウクレレメーカーに勤めて、三か月ほどで月間製造数を36%向上させましたね。そこから部署を変えて、プリアンプの開発で特許を三件取得、部署も任されるようになって、入社から二年半ほどで自分のビジョンの為に独立、去年話題になっていたふるさと納税のギターはそれから半年ほどの話ですね。

 

-若手メーカーですが、実績もノウハウも充実してますね!ふるさと納税もすごい話題でしたねー。私もそれでRegalさんを知りました。

うちは県とガチ絡みしてるんで!Regalのテーマとしては、誰もが楽器、音楽を楽しめる世界を作ることなんです。その為にまず一人一人の所得を上げる為にの地方創生と言う事で、いろいろやってますね。

 

-何本かこうしてRegalさんのギターを弾かせていただきましたが、リアでもフロントみたいな音がしますね。カチン!って感じがしないです。

うちはエッジィな音が好きじゃなくて、ウォームな音作りをしています。

硬い音は足元でいくらでも作れますが、ウォームな音がするエフェクターはあまり種類がないんですよ。僕もプリアンプの開発をしていたので分かるのですが、特性的にオペアンプやトランジスタを使うと固くならざるを得ないんです。

イコライザーやダイナミクス系を使ってもギャンギャン鳴るギターはどうにもしづらいので、それならウォームな楽器を使って、エフェクターやアンプで幅広く遊んでもらいたいと。

そういう利点があって、ウォームな音作りをしています。

 

-これが特色ですね!このストラトもメロウですけど、ちゃんとストラトらしいのが絶妙ですね。楽器ってスペックも大事ですけど、こういった音は楽器の作りそのもので作ってるんですか?

それはもう作りです。そう作ってます。

 

-Regalの音がする、作り方、レシピのようなノウハウがあると。総合的な部分もあると思いますが、それは木工でコントロールしているんですか?セッティングの方でしょうか?

セッティングでも音はいくらでも変わりますが、作りという意味では木工ですね。

ノウハウ的な話をしますと、講師や店員をやっていたのもあって、うちは三人ともギターが弾ける人なんですが、作るときにその感覚が反映できるのでそこから更にその人に合った仕様に詰めていきます。

お客さんの殆どがプロで、そのローディーもやってるんで現場慣れしていますし、それで出音だったりとか、癖だったりとかからその人がどういう音を求めているのかが大体わかります。

それに合わせてこちらから早い段階から仕様を提案するので、見積もりにかかる時間が減ってコストダウンにも繋がりますね。

 

-ひえっ…それはそうそう他所には真似できなさそうな…。木材の方はどう調達してますか?今年はローズウッドでひと騒動ありましたが。

今ローズウッドはエボニーより高いですね。フェンダーもエボニーに切り替えましたし。エボニーの方も生育が遅くて、今出回ってるのも300年位前のやつなんで特に真黒の材はもう良いものが無いです。

植林もされてはいますが、植え始めたのが50年位前なんであと250年は待たないと。

 

-絶望的ですね。

真黒に拘らなければ代替材はいくらでもあるんですけどね?

真黒みたいな心材はギターに使うと共鳴周波数的にデッドポイントが出やすいですし。

なんでうちでは特に指定がない限りは真っ黒なエボニーは使ってません。

 

 -エボニー、ローズの代替といえば、パーフェロー辺りでしょうか?

そうそうそう。パーフェローはクッソ安いからねー。

 

-あれ?大体どこもオプション料金取ってるイメージがありますが、安いんですか?

やってる農家、林業さんが少ないから希少価値が出てて、間に業者がいくつも入るから最終的に高くなるんだけどね、うちは木こりさんのとこ行って、パーフェローの山から良いのを選んで売ってもらってますね。

そうしないと僕らの目指いているレベルが達成できないので。

 

-木取りとか、物凄い大事ですもんね。そこまでコントロールして、カスタムギターという訳ですか。

ギタリストにとってギターとの出会いは一期一会、その人の人生が変わるかもしれないって買い物です。

バックオーダーがこうあるからこの材料をこれだけ買ってこのギターにはこれを、とその人に本当にあった物を提案出来る様にする。

ミュージシャンと我々クラフトマンがコミットする為の努力です。

今はヴィンテージの楽器がすごく人気だけど、それって現代の楽器がダメだって言われてるみたいじゃん?それが悔しいんだよね。

 

群馬なら木材も沢山あるし、パーツもゴトーがあるし、ミュージシャンも沢山居るし、前橋なんか結構野外ライブとかで盛り上がてるし、全部揃ってるんですよ。

 

-ゴトーって群馬の会社だったんですか!?

うん、すぐそこ。結構昔から付き合いがあって、工房を立ち上げるってなった時も「一本組んで持って来いよ!」って。それで持って行って、気に入ってもらえたんで工房としては一番深い付き合いを頂いてます。

あ、それから楽天さんからも話を頂いて、国内としては初のゴトーのカスタム販売を請ける事にもなりました。法人化してないと出店できないので、電話一本で注文できるうちが代理で行う形ですね。

 

-群馬舐めてた・・・(素)すみません・・・。

群馬って、PRがへたくそなんだよねー。

 

-むしろ群馬をバッドステータスとして見てる様なイメージが。

そうですね、実際群馬って都道府県人気ランキングでも45位とか、その辺なんですけど、群馬の人達は群馬ってそういうものでしょって言って上げようとしない。

だけど前線で戦ってる人たちはそれを何とかしようと、一位は無理かもしれないかもしれないけど、上位15くらいには入りたいかな。

人と人との繋がりはすごく温かいんだけど、郷土愛は無い、生まれちゃったからしょうがない、車のナンバーも群馬ナンバー乗ってるのはあまり好きじゃないとか、でもそれってつまんないじゃん。

どうせなら俺の地元ここだよ、すげーだろって自慢できる様な場所にしたいから、それでできることって何だろう?って考えた結果が我々にとって楽器作りだったってわけ。

必要なものは全部揃ってるのに、それをやる人がいなかった。

勿体ないじゃん。じゃあやろうって。

 

ビルダーの彼なんかは愛知出身で、秋田に行って、東京に四年住んでって田舎と都会の両方を見てるからそういった感覚は強いんじゃないかな。

群馬は東京でいえば下北とか、下町にすごく似てて人同士の繋がりがあるんで。

群馬出身の【タレント】くんとか【大物】さんとかもよく前橋に来てるし、間に群馬の二人も挟めば【大物】さんにもすぐ会えるんじゃないかな。それぐらい繋がりが深い。

【タレント】くんなんか昨日メールしたし。

 

-すごすぎる。そこまで揃ってるならもう秘境のままで居てほしい気がしてきました(笑)

だからあまり派手に動かないでバックグラウンドで動いてるってのはありますね。

作ってはい終わり、じゃなくて使ってるくれる人にコミットするのが理念ですから。次の現場はあのハコでローがすごく回るから、それに合わせたセッティングにしてーとか、マイク作ってーって言われたら作るし、

あと実際グンマーっておいしいんですよ。群馬のギター工房って面白いでしょ?

 

-すみません。最初見たとき笑いました。ぐwwwんwwwまwwwギターwwって。

実際グンマーってすごくおいしいんですよ。

秘密のケンミンショーって番組あるじゃないですか。グンマとかトチギとか田舎が主役になって弄られてる。あの番組のプロデューサーって群馬出身なんですよ。

地方出身だからこその発想ですね。むしろ弄ってくれてありがとう!ってくらいで。

記事でも全然面白おかしく弄っていただいて大丈夫です!どんどんやっちゃって下さい!

 

-あ、それじゃあ遠慮なく・・・

※その結果がこれだよ!(グンマー入国)

 

おまけの木材談義

藤原さんによる「ヒッコリーについて」

-このネックがヒッコリーですか。オーダーの選択肢にもありましたが、これはどういった材なんですか?

メイプルっぽいですが、メイプルよりはすごく粘りのある材です。

音色的にはメイプルとマホガニーの間くらいですね。

 

-おお。理想的な材ですね。しかもマホガニーよりも頑丈そうです。

これが柾目材となるともっと固いのでしょうか?

ヒッコリーは導管が入り組んでいるんで、強度的にギターに使う上では柾目も板目も大して変わらないですね。

600kgくらいまでは影響がないんで、47弦ギターくらいになると違いが出るかもしれません。

 

-最早ギターではない。

 

吉本さんとバスウッド談義

-個人的にはアルダーよりバスウッドの方がオケ馴染みが良くて好きなんですけそ、ネジ穴がすぐ死ぬのが悩みですねー。某メーカーは目の詰まり方がヤバいと聞いたのですが、それぐらいのレベルの物なら話は違うんですか?

バスウッドのネジ穴は仕方ないですね。バス自体が柔らかすぎるので個体はあまり関係ないです。

しかも油分が多いのでネジも錆びてダメになるのが早いですし、加工の際にも刃物にダメージが大きいです。

音は凄くギターに向いてるんですけど、扱いが難しいですね。

 

-それなのに安ギターの象徴みたいにされちゃって。

いや、それが実際材としては高くはないんですよ。

しかも柔らかすぎてちょっとしたことで打痕が付いたり、カビが生えやすく管理が大変だったりと工場向けではあるんです。

工房規模となると取り扱いが大変なんですね。

 

-となるとSuhrは余程愛があって使ってると。

愛ですね。バスウッドを使いたくて使ってる。

場合によってはアルダーよりコストがかかりますよ。加工に使う刃物が高いのと、やはり管理の大変さです。

アルダーはもうもんの凄い素直。

 

-知れば知るほどアルダーってギターに向いてるんですね。さすアル。

 

 

おわりで

いかがでしたでしょうか。グンマー、侮れませんね。県境には密林もハンターも居ませんが、ほどよく田舎なお陰だからこそできた土地柄はまさに秘境といった印象です。

しかも実は東京にそれなりに近く新幹線もちゃんと通っていたりと意外と仕事をするにいい条件。

そんな環境でミュージシャンのサポートに全力なRegal Guitar Instrumentsさんは、工房という枠組みには収まらない様に思えます。

 

それにしてもビルダーの方が若いっていいですね!

ほとんど同世代なだけあってお話しやすかったです。

藤原さんはイケてる先輩風で、吉本さんは端々にオタクのノリを感じました。

若い人におすすめですよ。

記事にならなかった部分でも濃厚なお話も聞けましたし、楽器の改造、オーダーの際には是非一度足を運んでみましょう。

 

行けるもんならな! (大阪から東京経由で2日かかりました。)

東京からは電車でもまあ二時間かからないくらいです。

絶妙な距離ですよね。こうやって自動的に立地的選別が行われているからこそ秘境群馬は秘境たり得るんでしょう。以上、群馬レポートでした。

 

▼公式ホームページ

Regal Guitar Instruments|Regal Guitar Instruments

▼Creema

www.creema.jp

-Creemaでガチガチのアーチトップ売ってるの草